四条金吾殿御返事
1192頁15行〜1193頁2行

【本文】

  なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし、「諸余怨敵・
 皆悉摧滅」の金言むなしかるべからず、兵法剣形の大事も此の妙法
 より出でたり、ふかく信心をとり給へ、あへて臆病にては叶うべか
 らず候

【内容】

  この御書は弘安2年10月23日身延の地から鎌倉の四条金吾へ
 与えられたお手紙です。同僚の妬みにより主君から不興をかった金
 吾は、これを信心で乗り越えましたが、更に嫉妬した同僚たちに生
 命を狙われるようになり、そんな中での指導激励のお手紙です。
  今回の範囲では、策や方法ではない、祈りが大事なんだと強く訴
 えられた箇所です。最高の作戦、最高の行動も、強盛な祈りによっ
 てはじめて結果を出せるということです。策や方法で問題を克服し
 ても、また次に同じような問題がおこれば悩んでしまう。しかし、
 信心で克服した悩みならば、次に同じような問題がおきても、それ
 はもはや悩みではなく、余裕で乗り越えていけるということです。
  組織にあっても、個人にあっても、不可能を可能にする戦いの要
 諦は、この1点につきます。
  この強盛な信心を根本にして、何ものも恐れぬ勇気を奮い起こし
 て、広布拡大を、また勝利者を目指して共々に頑張りましょう。

               2005/06/14(火)  どん兵衛の館にて


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