報恩抄
293頁1行〜293頁3行

【本文】

  夫れ老狐は塚をあとにせず白亀は毛宝が恩をほうず畜生すらかく
 のごとしいわうや人倫をや、されば古への賢者予譲といゐし者は剣
 をのみて智伯が恩にあてこう演と申せし臣下は腹をさひて衛の懿公
 が肝を入れたり、いかにいわうや仏教をならはん者父母・師匠・国
 恩をわするべしや

【内容】

  この御書は、建治2年7月、身延の地で認められ、大聖人がかつ
 て安房国の清澄時で仏教を学んでいた時の師匠の死去を聞き、当時
 の兄弟子だった浄顕房と義浄房に与えられたお手紙です。
  今回の範囲では、動物でも恩に報いる説話を引かれ、次に古代の
 賢人らが命を捨ててまで恩に報いた故事を引かれ、最後に仏法者は
 父母の恩、師匠の恩、国の恩を決して忘れてはならないと教えられ
 ています。
  当時の大聖人の師匠道善房に対しても大聖人は報恩を忘れること
 はありませんでした。そして大聖人の戦いによって、その功徳は師
 匠のもとに集まっていくと言われています。
  いろんなことが起きる昨今、なにがあろうと報恩感謝の思いを忘
 れることなく、日々、前進していきましょう。
  言うまでもありませんが、最高の報恩とは、広宣流布に生ききる
 ことです。

               2005/03/14(月)  どん兵衛の館にて


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