兄弟抄
1087頁15行〜1087頁18行

【本文】

  此の法門を申すには必ず魔出来すべし魔競はずは正法と知るべか
 らず、第五の巻に云く「行解既に勤めぬれば三障四魔紛然として競
 い起る乃至随う可らず畏る可らず之に随えば将に人をして悪道に向
 わしむ之を畏れば正法を修することを妨ぐ」等云云、此の釈は日蓮
 が身に当るのみならず門家の明鏡なり謹んで習い伝えて未来の資糧
 とせよ

【内容】

  この御書は念仏の強信者で極楽寺良観の信奉者という池上康光を
 父にもつ兄弟、宗仲、宗長に与えれらたお手紙です。この兄弟は約
 20年にわたって信心を頑張ってきたのですが、良観らの陰謀もあ
 って、兄が父から勘当される事態になり、大聖人は弟の信心が動揺
 することを心配され、様々な角度から激励されています。
  今回の範囲でも紛然と競い起こる三障四魔と最後まで戦い抜くこ
 との大切さを教えられ渾身の激励をされています。
  本文では、まず信心の実践と理解が進んだ時こそ三障四魔が激し
 く起こってくると述べられています。大聖人の仏法は、仏と魔との
 戦いであり、魔との戦いに勝てば成仏できるのだから、三障四魔が
 競い起こっても畏れてはダメだ!翻弄されてはダメだ!とおっしゃ
 っています。また三障四魔も起きないようなものは正法ではない!
 ともおっしゃっています。大聖人の仏法では行解の中心が折伏であ
 ることは言うまでもありません。三障四魔という障害が競い起こっ
 た時こそ、宿命転換のチャンス、成仏のチャンスととらえて、魔を
 打ち破る戦いを、師のもとで堂々と勝ち進んでいきましょう。

               2005/02/08(火)  どん兵衛の館にて


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