さじき女房御返事
1231頁9行〜1231頁12行

【本文】

  たとへばはるの野の千里ばかりに・くさのみちて候はんに・すこ
 しの豆ばかりの火を・くさ・ひとつにはなちたれば一時に無量無辺
 の火となる、此のかたびらも又かくのごとし、ひとつのかたびら・
 なれども法華経の一切の文字の仏にたてまつるべし。
  この功徳は父母・祖父母・乃至無辺の衆生にも・をよぼしてん

【内容】

  この御書は建治元年5月25日、鎌倉のさじきに住んでいた婦人
 部の方が、大聖人に単衣の衣類を真心から御供養されたことに対し
 て認められたお手紙です。
  今回の範囲では、冒頭で「春の野の草がみちているところへ豆つ
 ぶばかりの小さな火を放てば一時に無量無辺の火と広がる」例えを
 ひかれ、この真心の御供養も一着の単衣ではあるけれども、すべて
 の仏に供養したことになり、その功徳も、御供養された婦人部本人
 のみでなく、周囲の方々にまで至ると教えられています。
  今回の御書では、御供養という行為を通してその功徳にふれられ
 ていますが、形式的なものではなく「心こそ大切なり」と言われる
 ように、その真心が大切です。法のために尽くす実践、志が、本人
 の福運となるだけでなく、周囲の方々へも広く及んでいくことを教
 えられています。
  このことは、依正不二の原理からもわかるように、自分に福運が
 つけば、周囲にも及ぼすことができるということです。すなわち、
 自身が深く決意し、祈り、行動していくならば、その波動は周囲に
 及び状況を変革していけるということです。
  1000万という、広布の一番星を勝ち取るためにも、自分がや
 るんだ!と決意し、立ち上がって、一人ひとりとの対話を拡大して
 いくことこそが、周囲の変革をもなしとげ、広宣流布へ近道である
 ことを確信して、堂々と戦っていきましょう。

               2004/05/05(水)  どん兵衛の館にて


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