生死一大事血脈抄
1337頁12〜1337頁14行

【本文】
  総じて日蓮が弟子檀那等・自他彼此の心なく水魚の思を成して異
 体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を生死一大事の血脈とは
 云うなり、然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり、若し然らば広宣
 流布の大願も叶うべき者か、剰え日蓮が弟子の中に異体異心の者之
 有れば例せば城者として城を破るが如し

【内容】

  この御書は、文永9年2月11日、佐渡の塚原の三昧堂で、最蓮
 房日浄の質問に対する答えとして認められたお手紙です。最蓮房日
 浄という人は、同じく佐渡に流罪されていた天台宗の学僧で、佐渡
 の地で大聖人に帰依した人です。
  この御書では、生死一大事の血脈は、仏と法華経と衆生の3つが
 まったく差別がないと信じて題目を唱えること、また、三世にわた
 って受持すること、そして、異体同心で題目を唱えることの3つの
 点が実践されるところに血脈があると言われています。今回の範囲
 では、3番目の部分で、異体同心の団結こそ大聖人の仏法を弘通す
 るうえで最も肝要なことであると述べられています。
  では異体同心とは何か、「自他彼此の心なく水魚の思を成して」
 とあるように、自分と他人とを隔てるのではなく、水と魚の関係の
 ように、互いになくてはならない存在として尊重しあっていくこと
 です。立場や特質が異なっていても、御本尊を信じるという点で、
 また、広宣流布を目指すという点で、今の時期なら法戦の大勝利を
 目指すという点で、心を1つに団結して戦っていくところに生死一
 大事の血脈があるということです。これに反して、異体異心の者と
 は、感情や利害を中心にしている心の持ち主のことで、このような
 人は、妬みや嫉妬が生じやすく、団結できすに破和合僧になってし
 まうと仰せです。
  この大事な法戦の真っ只中、強固な信頼の絆で、心と力を合わせ
 ながら、楽しく戦って大勝利していきましょう。

               2003/03/09(日)  どん兵衛の館にて


座談会御書一覧に戻る