経王殿御返事
1124頁 4〜 7行

【本文】

  師子王は前三後一と申して・ありの子を取らんとするにも又たけ
 きものを取らんとする時も・いきをひを出す事は・ただをなじき事
 なり、日蓮守護たる処の御本尊を・したため参らせ候事も師子王に
 をとるべからず、経に云く「師子奮迅之力」とは是なり、又此の曼
 荼羅能く能く信ぜさせ給うべし

【内容】

  この御書は、四条金吾の1歳の娘、経王御前が重病にかかった知
 らせを聞かれた大聖人が、文永10年、佐渡の地で認められた指導
 激励のお手紙です。
  まず、今回の範囲の冒頭に出てくる「前三後一」は、師子が敵に
 戦いを挑むときの姿勢を表されています。いかなる相手であろうと
 も、決して手を抜くことなく、全力を尽くす。言い換えれば、常に
 命がけで戦いに挑むということです。また、本文では、大聖人が御
 図顕された御本尊も大聖人の御本仏としての御生命を師子王の心で
 顕されたと仰せです。この大聖人の御生命の御本尊をどこまでも信
 じて全力で祈りなさいとの内容です。
  これより間もなく、経王御前は回復されたそうです。
  今回の御書は、なにも病気に限ったことではありません。すべて
 の戦いにおいて御本尊を根本に、前三後一の姿勢で栄光・大勝の年
 を共々に戦ってまいりましょう。

               2003/01/04(土)  どん兵衛の館にて


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